夜。
 結局、血走った目に負けた感じで一緒に過ごすことになりました。

 本当は、距離を置いた方がいいのかも知れないんだけど。
 傍にいたいと思うのも事実で。



 部屋に入ると、…その前からずっと手を繋いだまま。
 部屋に入るとあっという間にあの人の腕に抱き込まれて、そのまま膝の上
に向き合うように抱っこされてた。

 体重がどんどん減っていることは、あの人に指摘されるまでもなく自分が
一番分かっていること。
 体重が今よりずいぶんあったところで。
 必死に抵抗したところで、あの人の腕から逃げ出すことはできない。

 minの身体には抱きしめられる感触が、きっとあの人の腕にはminの身体の
感触が染み込んでしまうくらい抱きしめ合っていたかと思うと、あの人はお
風呂の用意を始め…。
 

 いつもと同じ。
 自分の服が脱ぎ終わるとminの服を脱がし始め、抱えられたまま浴室へ。
 世話をされているのか。
 甘やかされているのか。

 お互いに髪と身体を洗い合う瞬間だけ、あの人の腕の中から出られる。
 


 入浴後は、あの人は晩酌の続き。
 そして、夕食をほとんど摂れないminに“夜のおやつ”としてプリンやド
ーナツといった甘い物を食べさせる。
 それこそ、必死に“餌づけ”している感じで。

 この間も、あの人の腕の中。膝の上。

 眠るためにベッドへ移る時も、あの人に抱えられたまま。



 minと違って、俺は夜眠れない訳じゃないんだ。
でも、minを腕の中に抱いていないと、熟睡できない。


 まるで抱き枕のようにminの身体を腕に抱きしめたまま、ぽつりと耳元で
あの人が呟く。

 minは、俺と一緒だとよく眠れるって言ってくれたよね。
なら…毎晩一緒に眠ろう、こうやって。
 ずっと…こうして俺にしがみついてて。





 毎晩一緒に眠るって、どういうことか分かっているのかな?


 埋められた、“外堀”を強行突破しなきゃならないんだよ?

 女性や、女性が自分とあなたとの関係を“布教”した、たくさんの人達と
向き合っていかなければならないんだよ?





 勿論。
 あなたが強行突破するなら、独りではさせないけどね。 

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